GNU Guix のウェブサイトが日本語に翻訳された
GNU Guix のウェブサイトが日本語に翻訳された。
他人事のように書いているが、この翻訳作業は私が担当した。
過去の履歴を見ると今年の 1 月くらいに翻訳を開始したようなので、結果的にはすごく時間がかかってしまった。
翻訳者が自分ひとりで、特に英語が得意というわけでもないので、モチベーションを維持するのが難しく、丸 1 ヶ月以上作業を進められない時期もあった。
ただ、ウェブサイトの翻訳対象の文章をすべて翻訳しきることができたのは良かった。
今現在、日本語と英語を除いて 100% 翻訳されている言語はたったの 3 言語しかない。1
翻訳することになった経緯
このブログで 「GNU Guix といふもの」という記事を書いた際に、この記事を Mastodon でシェアしたところ、その投稿が Guix の翻訳プロジェクトのメンテナーをされている @roptat 氏の目に止まり、下記のコメントをいただいた。
@taiju One way to attract more users is to translate ;) see https://translate.fedoraproject.org/projects/guix
There's no Japanese :( If you have time, you could start with the website. Ask me if you need help translating :)
私は Guix の日本人ユーザーが増えることを心から願っており、そのための何らかの貢献をしたいと思っていたが、翻訳プロジェクトのメンテナー御本人から誘われたということもあって、少し考えた末に翻訳をやってみることにした。2
何より日本語で書いた長い記事を日本語ネイティブではない方 (おそらくフランスの方) が読んでくれて、その記事の感想までくれたことに感動したというところが大きかった。
翻訳の進めかた
Guix の各種リソースの翻訳は、Weblate を使って進めることができる。
もちろん、リポジトリにある .po
ファイルを直接編集することでも翻訳は可能だが、私はすべて Weblate で作業した。
事前に @roptat 氏に確認したところ、フレーズや単語レベルで翻訳ツールを使うことは問題ないとのことだったので、私は下記のツールを使って翻訳作業を進めた。
- DeepL
- Linguee
- 英辞郎 on the Web
- 電子辞書 (カシオ エクスワード XD-SX9800)
- オンライン版ケンブリッジラーナーズ辞典 (アメリカ英語)
また、自由ソフトウェアの文脈での語彙については GNU のウェブサイトの日本語版も参考にしている。
残念ながら翻訳が完了しても自動で公開される仕組みではないようなので、公開または更新したい場合は @roptat 氏に連絡する必要があるとのことだった。
今後について
翻訳プロジェクトの本丸は Guix のマニュアル3なのだが、正直それについては及び腰だ。
翻訳対象が少なく、文章も難しくないウェブサイトの翻訳でさえ数ヶ月も要してしまったので、独力でマニュアルを翻訳しきる自信はない。
おそらく、ただでさえ少ない可処分時間の大部分を費やすことになってしまうだろう。
ウェブサイトに新たな文章が追加された時は、責任を持って追従していくつもりだし、公開された文書を確認したところ、いくつか問題を見つけたので、それらは早急に直す予定だが、それ以外については未定だ。
ただ、今現在の技術力で私が自由ソフトウェアに貢献できることは限られているので、他に自由ソフトウェアに貢献できることがなくなってきたら再開するかもしれない。
この記事を読んでくれた方で、Guix に貢献したい方は、是非とも翻訳プロジェクトに参加いただき、Guix の日本語リソースを増やす手助けをしていただけると幸甚だ。
Guix の日本人ユーザーはまだまだ少ないので、Guix の情報を得るという入口の敷居が下がることで、興味を持ってくれる人が増えたら嬉しい。4
以上。